巨大火山の頂上、円型の火口で煮え滾るマグマの湖。そこには聖獣が棲んでいる。監獄に囚われた人々の罪を赦し、地獄の門を管理する獣。彼に力を示せば、止まっていた全て——仕組まれた運命の歯車が動き出す。
※探索時間は変動スキルが無い場合
出現モンスター
道中
最終フロア
レアアイテム/二つ名
ダンジョン内ストーリー
フロア1
雷鳴の中、炎を纏う幻獣が空中で腕を組んでいる。
フロア2
炎がより一層激しく渦巻き、いくつもの火柱がさらに立ち上った。
先人たちの言葉
幻獣事典 4
燃え盛る火山の頂上には、聖なる心を宿した幻獣が棲んでいる。筋骨隆々の黒い身体、二本の赤い角、そして周囲に纏った灼熱の炎。幻獣はその荒々しい外見とは裏腹に、麓を静かに見守り続けてきた。
罪の意識に苦しむ人々に赦しを与えるため、幻獣は時折姿を変えて言葉を交わし、彼らの運命に干渉している。しかし、それが火山の聖獣であること気づく者はほとんどいない。人々の記憶すらも書き換えられてしまうからだ。
幻獣は今日も人知れず、皆の苦しみにそっと寄り添っている。
吟遊詩人の詩 4
一人の囚人が檻の中で呟いた。「僕は罪を償えるのだろうか」。すると若い男の声がした。「全ての罪は、いつか必ず赦されます。正しくあろうとする心を、胸に抱き続けていれば」。囚人が顔を上げると、鉄格子の向こうに見慣れない看守が立っていた。囚人は暗い声で言う。「僕は、正しく生きようとしてきたんだ。それなのに罪に問われた。でも……ずる賢く生きるヤツは間違っているのに捕まらない。正しくある意味なんて……ないんだよ」。
すると看守は囚人を見つめて言った。「全ての行動は、いつか自分に返ってきます。正しき行い、正しき反省を、見ている者が必ずいるからです」。囚人は項垂れる。「こんな暗い檻の中で……誰が見てるって言うんだ」と。
すると看守の優しげな声が聞こえてきた。「あなたが正しくあろうとしてきたこと。あなたが苦しみの海で藻掻いてきたこと。あなたが今も前に進もうとしていること。少なくとも私は全て、知っています」。囚人がはっとして顔を上げると、そこに看守の姿はなかった。囚人の目には、彼のいなくなったその空間に一瞬、小さな炎が揺らめいたように見えた。
監獄卿の記憶 1
私が父から監獄卿の座を継いだ日、父に呼ばれ、監獄島の真実を伝えられた。この大地の下にはもう一つの世界があり、古代に作られた危険な機械が眠っている。そして、それらの機械を悪しき者たちに奪わせないことが、私たちに与えられた使命なのだと。
もちろん私は驚いたが、同時に納得がいった。なぜこの島は外部との接触をできる限り避けているのか。もちろん周辺国家から預かった囚人たちをしっかりと管理する目的があることは事実だが、それ以上に何か、より明確な理由があるのではと勘ぐっていたからだ。
人類の未来を守る。その重大な役目に、私はある種の興奮を覚えると同時に、一抹の不安を抱いたのだった。
監獄卿の記憶 2
その晩、私は不思議な体験をした。「火山の聖獣」と直接会話をしたのだ。
緊張した私の前に現れたのは誠実そうな青年で、私は拍子抜けをしてしまったことを覚えている。「あなたが新たな監獄卿ですか」と彼は丁寧な口調で訊き、私が頷くと彼は柔和な顔で微笑んだ。
それから私たちは一晩語り合った。まるで旧来の友人のように私たちは他愛もない会話に花を咲かせたのだ。本当にあれは、楽しい一時だった。
明くる日に彼は消えてしまった。しかし、彼がずっと傍にいてくれるのなら、きっとこの島を守っていくことができる。そして監獄卿としての役目を全うできる。私はそう確信したのだ。
監獄卿の記憶 3
ザルツァイト王国のトルリ公爵から届いた手紙を読んだとき、ついに何かが動き始めたのだとわかった。私の祖先が静かに守り続けてきた監獄島の秘密が暴かれるかもしれない。世界を救おうとする彼らの心に嘘偽りがないか、私自身の目で見極めなければならないと私は自分に何度も言い聞かせた。
あの晩に語り合った青年——火山の聖獣は、この事態をどう見ているだろうか。彼ともう一度だけ話がしたい。いつもよりも静かに煙を噴き上げる火山を見上げながら、私はそう思ったのだった。
竜追いテレムの航海日誌 11
ティルフィ……というかイフリートだっけ? ヤツは幻獣だった。幻獣って、あのセイレーンの仲間ってことだよな? まあ、とにかく良いヤツだったってわけだ。
だが、トルリの旦那はヤツに記憶をいじられて気づけなかったことが結構ショックだったみてえだ。「仕方ねえよ。旦那ももうすぐ棺桶に入るくらいの爺さんなんだから」ってちゃんと慰めてやったんだが、余計にヘコんじまった。なんか間違ったか?
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