小さな丘の上にぽつんと建てられた、あの人のお墓。どれだけ世界を繰り返しても、いつもここにある。
※探索時間は変動スキルが無い場合
出現モンスター †
道中 †
最終フロア †
レアアイテム/二つ名 †
ダンジョン内ストーリー †
フロア1
白い翼の生えた悪魔に、あの男の面影はなかった。
フロア2
"彼"はもう、きっと人間ではない。
先人たちの言葉 †
ささやかなる墓標
――ウィトリ、ここに眠る。
とある半竜の記憶 1
あの日、俺は全てを失いました。愛していたあの人も、苦しみを分かち合えるたった一人の親友も、一度に失ってしまったんです。しかし、生きる意味だけは、あの人が最期に残してくれました。
――あの子を守って。その一言だけが、俺がこの地獄で生き続ける唯一の意味になりました。
とある半竜の記憶 2
記憶を取り戻した俺がお嬢に会いに行くと、お嬢はいつも孤児院にいました。孤児院の人にお嬢を引き取りたいことを伝えると、その人は驚いて言うんです。「まさか、本当に来るとは思わなかった」と。
あの人は、聖血晶に願いを託したせいで、早くに亡くなる運命に変えられてしまった。しかし、どの世界でもあの人は、あの日の大洪水のことを覚えていて、自分が早くに死ぬこともわかっていたようだったんです。だから、自分が死んだらお嬢を預かってほしいことをあらかじめ孤児院に伝え、そのときに、半竜の男が引き取りに来たらお嬢を渡すようにも頼んでいたようなんです。
俺は、涙を流しました。たとえ会えなくても、あの人と繋がっていることがわかったから。そして、あの人が希望を失っていないことがわかったから。
とある半竜の記憶 3
エンリルはあの悲劇の後、まるで人が変わってしまいました。世界を救うことなど頭の隅にもおかず、あの人を蘇らせることだけをただひたすらに望むようになりました。俺とエンリルとの距離はどんどん広がっていき、いつの間にかもう見えないほどに離れてしまいました。
俺は、エンキという名前を捨てました。最初にこの世界に生を受けたときに与えられた名前を捨てて、この地獄でお嬢の側に寄り添う新しい人生を歩むのだと決意したんです。あるとき偶然にエンリルに出会ったとき、あいつは別人のように、もちろん外見は別人ですが、心の形すらもまったく別の物に変わってしまっていました。
あいつはトウホと名乗りました。あいつも名前を変えていたのです。
とある半竜の記憶 4
あいつはあの人を蘇らせる方法を見つけたかもしれない、と落ち窪んだ目をギラギラと輝かせて言いました。俺は、それはダメだとあいつに答えました。しかしあいつは聞く耳を持たずにこう言ったのです。「世界のルールを変えられる石が、古代人の胸から取れるらしいが、その詳細な方法がまだわからない」と。
俺は怒りました。「あの人の娘を利用するのか」と。するとあいつは「娘のことなどどうでもいい」と言ったんです。俺は……悲しかったです。この地獄の辛さを分かち合える唯一の親友と、対立するしかなかったからです。
それから俺たちは、互いに敵同士になってしまいました。目的を違えたまま永遠に戦い続ける、敵同士に。
とある半妖の記憶 1
物心ついたころには、あたしは孤児院にいた。あたしの記憶にあったのは、ママの温もりと、いくつかの思い出だけだった。どうしてあたしにはママもパパもいないの? そんなことを聞いてまわって、みんなを困らせたっけ……。
あたしは、どうしようもない孤独から逃げるために、本ばかり読んでた。本の中にはたくさんの「過去の出来事」が描かれてて、「今から続く未来」に眼を向けるのが怖いあたしにとって、本だけが心の拠り所だったの。
とある半妖の記憶 2
ある日、あたしを引き取りに来たっていう大きな男の人に会った。赤い角が生えたその人は、膝を曲げて窮屈そうに背を丸めると、目線の高さをあたしに合わせてくれて、こう言ったの。「お嬢、迎えに来ましたぜ」って。
もちろん、初めて会った人だった。でも、その優しい声はなんだか懐かしくて、あたしの心は温かくなった。だからあたしは、その人が差し伸べてくれた大きな掌を、両手で握り返したの。
とある半妖の記憶 3
それからあたしは、ドヴと一緒に暮らした。裕福ではなかったのに、ドヴはいろんな仕事を掛け持ちながら、あたしに美味しい料理をつくってくれて、好きな本を買ってきてくれた。
ママの友達だっていうだけで、どうしてあたしにこんなに優しくしてくれるんだろう? どうしてあたしを守ってくれるんだろう? 古代人の生き残りだから? そんな疑問を声には出せなかった。聞いてしまったら、この幸せが崩れてしまうような、そんな気がしたから。
かすかな声
私は、何のために永遠を生きているのだろう。私は、なぜ自らの過ちを正すことができないのだろう。私は、どこに向かっているのだろう。
この声がもしも届くなら……エンキ、私の弱さを許してくれ。そして、お願いだ。……私を止めてくれ。私はもう、私のことがわからない。茨の道を歩いてきた私は、自らの足でひきかえすことなど、もうできはしない。
エンキ、ありがとう。……お前に辛い思いばかりさせて、本当に――
攻略 †
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