紫色の水晶球に映る顔が、だんだんと老いていった。人々にどれだけ救いを与え、感謝されても、自らに救いがもたらされることは決してなかった。ただ乾涸びて死ぬだけの退屈な人生。そんな諦めに支配されていた彼の心に希望をもたらしたのは、金色のステッキを持った一人の男だった。
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