遊牧民の日記 1

この高原に生える草花は、成長がとても早い。年に数回訪れて馬や羊たちに思う存分食べさせても、いつも元どおりの美しい景色が広がっているのだ。
ずっとこの場所で放牧していても平気ではないのかと息子が聞いてきたので、それだけは絶対にしてはいけないと教えた。私たち遊牧民は自然によって生かされている。その感謝の念を忘れた遊牧民によっていとも簡単に自然は壊され、そしてそれは、自らの首を絞めることに繋がるのだから。

入手元:ウィンドリア高原

遊牧民の日記 2

北にある町は「魔法都市」と呼ばれている。どうやらお偉いさんの魔導師やら将来を見据えて教育を受けさせられる子供たちやらがたくさんいるようだが、私たち遊牧民には縁のないことだ。
……しかし最近、息子が木の棒を振りながら何かを大声で叫んでいるのを見かけてしまった。自然と共に生き、自然の中でひっそりと死んでいく人生を、息子はつまらないと思っているのだろうか。もし息子が魔導師になりたいと言ったら、私は何と答えるべきだろう。私は息子に、望む人生を与えてやることができているのだろうか?

入手元:アジーナル平野


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Last-modified: 2022-01-25 (火) 01:32:11
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