赤い砂の砂漠には、その地に国ができるより遥か昔から住む、1匹の幻獣がいた。 獅子の体に雄羊の頭、そして大鷲の翼を持つその幻獣は、砂漠に暮らすようになった人間たちのことが好きだった。砂漠に向いているとは思えない貧弱な体を持ちながらも、知恵と協力と工夫によってたくましく、そして慎ましく生き抜く人間たちが愛おしかった。人間を見ていると飽きなかった。 だから、幻獣は願った。この平和が永遠に続くようにと。 そして、幻獣は誓った。人間がいつか苦難に陥ったときには、その決意に応じて自らの力を貸すことを。
入手元:初代王のピラミッド
深い森の広場には、白銀の一本角を伸ばした美しい幻獣が棲んでいる。白馬のような姿だが、きらめくほどに艶やかな毛としなやかな筋肉が、ただの獣とは圧倒的に異なる高い品格を感じさせる。 その幻獣はあらゆることに興味があり、同時にあらゆることに興味がない。気まぐれに人間の前に姿を現し、難病に苦しむ子供を治したり、死にゆく老人の最期をただ見届けたり、戦争を仕掛けようとする独裁者に何かを問いかけたりと、その行動には一貫性が見られないのである。 しかし、一角獣には一角獣の誇りと矜持があるはずだ。あらゆる邪悪を払い、ときに生と死を司るとされるその幻獣は、いったい何を想いながら時を過ごしているのだろうか。
入手元:ユニコーンフォレスト
その恐ろしい海域には、壊れた船が集まる島がある。島の主である人魚に認められれば、立ち込める白い霧はたちまちに晴れ渡り、七色に光る珊瑚の大地が現れるだろう。 不可思議なほどの艶かしさと大いなる母性を併せ持つその人魚は、誰もが見惚れるほどに美しい。彼女が口ずさむ"逆さま"の歌には、周囲のあらゆる現象や生き物を操る力がある。そして、悪人には罰を、善人には導きを与えるという。
入手元:星拾いの珊瑚島