彼女の生温い左手が頬に触れると、私の視界は白い霧に包まれた。見上げても白、振り返っても白。そうか、ぜんぶ幻だったんだ。もう悪い夢に悩まされる必要なんてない。私にとっての現実は、この白い世界なんだから。
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